地球規模の環境問題は全世界的な重要課題であり、人類のみならず生物一般の生存基盤に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。特に森林の減少は、地球温暖化・砂漠化の防止、気象の安定、生物多様性の維持と種の保存、水質の浄化、洪水の防御などに直接関わります。また、社会的・経済的構造とも密接な関連があり、その解決は極めて重要かつ困難です。森林保全の方策として、植林による対応は勿論ですが、木材以外の植物資源の利用を推進するための技術開発や国際協力も非常に重要です。

ケナフ協議会は、平成2年(1990年)度から2年間、環境庁(当時)の委託を受けて調査研究に当たった「森林保全のためのケナフ等代替資源利用検討委員会」の委員が中心になって、平成3年(1991年)11月22日に設立・発足した日本最初のケナフに関する会員組織です。当初の正式名称は「ケナフ等代替資源利用による地球環境保全協議会」でしたが、平成9年(1997年)度定時総会において、さらに幅広い見地からの対応が必要であるとの認識から、「ケナフ等植物資源利用による地球環境保全協議会(略称ケナフ協議会)」に名称変更しました。

ケナフ協議会は、地球規模の環境保全のために、ケナフ等植物資源利用に関する研究・技術開発の推進が重要であるとの認識のもとに活動を続けています。平成12年(2000年)10月には、活動の一環として、世界で初めての「国際ケナフシンポジュウム」を日本で開催し、国内外からの多数の参加者による研究発表と技術交流が行われました。また、平成22年(2010年)3月には、特定非営利活動法人化(NPO化)してその活動のさらなる発展を期してきました。令和3年(2021年)4月からは事務局を沖縄に移設し、活動を開始していきます。

ケナフ協議会は内外の広範な人々と協力しながら、地球温暖化防止、森林保全のための具体策として、ケナフ等植物資源利用に関する研究・技術開発、実用化、教育・普及の活動を推進してきました。今後ともさらにそれらの活動を発展させる所存です。ケナフ協議会の活動に対しまして、皆様の各段のご理解と御協力をお願い致します。

会 長  鮫 島 一 彦